164-参-国土交通委員会-7号 平成18年03月30日 平成十八年三月三十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         羽田雄一郎君     理 事                 伊達 忠一君                 脇  雅史君                 大江 康弘君                 山下八洲夫君                 西田 実仁君     委 員                 市川 一朗君                 太田 豊秋君                 小池 正勝君                 末松 信介君                 田村 公平君                 中島 眞人君                 藤野 公孝君                 松村 龍二君                 吉田 博美君                 加藤 敏幸君                 北澤 俊美君                 輿石  東君                 佐藤 雄平君                 田名部匡省君                 前田 武志君                 山本 香苗君                 小林美恵子君                 渕上 貞雄君    国務大臣        国土交通大臣   北側 一雄君    副大臣        国土交通副大臣  江崎 鐵磨君        国土交通副大臣  松村 龍二君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       吉田 博美君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        総務省人事・恩        給局長      戸谷 好秀君        国土交通大臣官        房長       春田  謙君        国土交通省総合        政策局長     竹歳  誠君        国土交通省都市        ・地域整備局長  柴田 高博君        国土交通省住宅        局長       山本繁太郎君        国土交通省海事        局長       星野 茂夫君        国土交通省港湾        局長       鬼頭 平三君        国土交通省北海        道局長      吉田 義一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案(  内閣提出、衆議院送付) ○独立行政法人に係る改革を推進するための国土  交通省関係法律の整備に関する法律案(内閣提  出、衆議院送付)     ───────────── ○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省総合政策局長竹歳誠君、国土交通省都市・地域整備局長柴田高博君及び国土交通省住宅局長山本繁太郎君を、また、独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省人事・恩給局長戸谷好秀君、国土交通大臣官房長春田謙君、国土交通省海事局長星野茂夫君、国土交通省港湾局長鬼頭平三君及び国土交通省北海道局長吉田義一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ───────────── ○委員長(羽田雄一郎君) 宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。 ○小池正勝君 おはようございます。  自由民主党の小池正勝です。  宅造法の一部改正について御質問をさせていただきます。  今回の宅造規制法の改正は、今まで集中豪雨等への対応が主であったものを、地震、地盤災害への対応に変えるということで、これはもう従来からこれへの対応をしていただきたいという要望が強かったわけですから、正にそれにこたえるという改正だろうと思います。とりわけ地震は、阪神・淡路でも地盤災害と言われるものがありましたし、その後、地震というのは新潟でもあったし福岡でもあったし、各地で起こっていまして、正に日本は地震列島なんですから、それへの備えとして、安全、安心のためにこの耐震ということについて積極的に政府を挙げて取り組んできておられるわけです。昨年は耐震改修法ができました、改正ができましたし、それから耐震促進税制も北側大臣を始め皆さんの御努力ででき上がったわけでございます。  私どもは積極的にそれを進めて、是非お願いしたいと思っているんですが、この地震、耐震とか災害の復旧とかというときになると必ず出てくる話、この委員会でも必ず出てきましたし、災害対策委員会でも必ず出てくる話なんですが、その災害復旧あるいは災害予防、大事なんだけれども、個人の資産には税金は入れられませんということを政府の方は一貫してよく言っておられるわけですね。それがネックになってきているというのがいろんな場面で出てきておるわけです。  しかしながら、今回のこの宅造規制法の改正案を読ませていただくと、正にこの宅地という個人資産にある意味では国費を投入するわけでございますから、ある意味では一歩前進と私は言えるんではないかと正に評価したいと思っているんですが、今まで難しい難しいと言われておったのに、正に一歩前進になった、国費を投入していただけるようになった、その理屈はどんな理屈なんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 宅地の補助の関係でございますが、阪神・淡路大震災、それから新潟中越地震におきます宅地の被災状況を見ますと、大規模な盛土の造成地の滑動崩落、崩壊等が起きた場合には、盛土の上の住宅一つ一つが単独にやられるのではなくて、広範囲な土砂の流動によりまして道路等の公共施設等を含めまして地域全体に甚大な災害を引き起こしております。これ自身、私もあの阪神・淡路のときには現地におりましたし、あの仁川の大規模な崩落等を見ておりますし、大変な被害を及ぼしました。末松先生もよく御存じのとおりでございます。  このような災害に対しましては、個人の敷地単位で予防対策を行うということには限度がございます。また、災害が発生すれば、その後、地域の復旧・復興に膨大な費用、お金が掛かるわけでございます。このため、大規模盛土造成地全体の安全性を確保する上で広範な被害発生を防止するということについて、高い公共性が認められるものでございます。  こうしたことから、平成十八年度予算におきまして、造成宅地防災区域という法律に基づく新しい区域でございますが、この指定を受けました区域等におきまして宅地所有者等が実施いたします、共同して実施されます盛土の耐震化工事に対しまして、国と地方公共団体合わせまして二分の一を支援する制度というものを創設を盛り込んだわけでございます。 ○小池正勝君 この話はもう従来から、個人資産、個人の財産への国費の導入は難しい難しいということになった中で、今のような理屈付けといいますか説明でやっていただけると、これは正に一歩前進だろうと私は思っております。  そこで、具体のお話をさせていただこうと思いますが、宅地というのを我々購入するときにすぐ考えるのは、便利である、交通至便であるとかいうことがどうしても優先してしまって、宅地の安全性というのはもちろん考えなければいけないんだけれども、余り情報も持ってないし、余り考えない。むしろ、情報が不足していると言った方が正確なんだろうと思うんです。  そこで、今回は宅地のハザードマップを作るんだというお話を聞きましたが、具体的にどんな内容なんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 御指摘のように、宅地を購入するといった場合にその地域がどういう地域であるかということがなかなか我々も分からないわけでございまして、地震の揺れに強い地域か弱い地域なのか、あるいは水害が起きたときにそれが浸水する地域なのか、どの辺まで浸水するのかどうかというようなこと、あるいは津波が来るのかどうかというようなこと、これらの安全性、防災に関するものというのはなかなか分かりにくいことがございます。  そういう中で、特に阪神・淡路大震災以降、積極的にこれらの情報を市民に知らしめることによりまして、自らがどういう地域に住んでいるのか、安全性の確保を図っていこうという方向が非常に強まってきてございます。そういう意味で、各地の水害だとか地震だとか津波のハザードマップ作りというのが行われておるわけでございますが、今回我々が考えておりますのは、目で見て余り分からないんですけれども、その宅地が地震の揺れのあったときに大規模に崩壊するおそれがあるのかどうかということについてハザードマップを作って、市民の皆様に周知をしていこうとするものでございます。  具体的には、今までの、過去の地形図あるいは航空写真と現状の地形図、航空写真とを見比べまして、まずここが大規模な盛土がされたかどうかというのをスクリーニングいたします。その後、現地の調査等を踏まえまして、過去の阪神・淡路大震災のときの被害の状況等を照らし合わせまして、この地域はどうなるのかというようなことを明らかにした上でハザードマップという形で住民の皆さんにお知らせするものを作っていこうと、それによりまして安全というものに関して考えていっていただこうとするものでございます。 ○小池正勝君 ハザードマップの作成は義務付けられるんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) ハザードマップにつきましては、これは法律上義務付けということにはいたしてございません。  このハザードマップにつきましては、先ほどの委員の方から御指摘いただきまして御評価いただきました宅地防災工事と同様に、予算でもちまして、来年度予算からこのハザードマップを作る公共団体に対しまして助成することができることになってございますが、これは義務付けではございませんで、各公共団体に対しまして国といたしましてはそういうハザードマップを作るように要請し、指導をしていきたいと考えておりますし、それに対しまして来年度から本格的に三分の一の助成、国庫助成が付くことになってございます。できるだけ進めていきたいと考えております。 ○小池正勝君 河川の場合は、法律を改正して洪水のハザードマップは義務付けられたんです。宅地はなぜ義務付けないんですか。 ○政府参考人(柴田高博君) 宅地につきましては、まず委員の方から冒頭御指摘ありましたけれども、宅地に関する、今回初めて宅地の地震の振動による大きな被害に対する新たな規制、基準を追加したわけでございまして、これまで実際よく分からなかったわけですね。  宮城の五十三年の地震のとき、あのときに、初めてかどうか分かりませんけれども、宅地が大きな被害を受けたということが明らかになりました。ただ、そのときはそのメカニズムが余りよく分かってなかったと。阪神・淡路の大震災で大変大きな被害を受けまして、そのとき以来、学識経験者の先生、学者先生方から研究が始まったと。で、かなりそのメカニズムが明らかになってきた。今回、中越地震の後、特にその辺をも明らかにされたということでございまして、非常に宅地に関する安全性だとか防災の問題、地面の中にあるということもございまして分かりにくかったと。今回初めて、そういうことの知見を踏まえて基準化したわけでございます。  河川につきましても、当初は義務付けはされておりませんでしたけれども、法律の改正等によりまして義務付けされたものでございますが、宅地は、そういう意味では宅地の防災、いわゆる地震対策というのはスタートしたばっかりだということでございますので、いろんな施策を一気にやっていこうということも一つの手かもしれませんけれども、着実に進めていきたいという具合に考えております。 ○小池正勝君 今のお話は、宅地については、技術的に見てもまだまだ河川とかみたいに技術的にそのメカニズムがまだよく分かってない部分があるので、まずは第一歩として予算補助にして、いずれは義務付けというようなことまで考えていきたいと、こういう趣旨ですか。 ○政府参考人(柴田高博君) 河川の場合と宅地の場合というのはかなり違うと思うんですよね。河川というのは自然の川でございまして、見ればどこに川が流れているかというのは分かりますし、それによる浸水の状況というのもある程度分かりますし、非常に広範囲にわたって洪水が起きた場合には被害が生じるというようなこともございまして、しかもそれがかなり計測しやすいものになっているんじゃないかと私は思います。  それと比べてちょっと、宅地の場合はかなりスポット的に、特に大規模な造成宅地ということになりますと、スポット的に幾つかこうあるわけでございまして、それを法律上義務付けまでしなくちゃいかぬかどうかということについては、今ここでそうすべきだということが言えるかどうか、私にもちょっと分かりません。  いずれにしましても、今後、まずこの制度がスタートしていくわけでございますんで、この制度に従って、制度といいますか予算制度でございますですね、どれだけの公共団体が、どういうことで、どれくらいまでいくかということ等も見ていく必要があるんではないかという具合に考えております。 ○小池正勝君 その辺は是非、このハザードマップには期待が大きいですから、是非積極的にお願いしたいと思います。  従来、その宅造のお話というのは、従来の宅造規制法というのは新しく宅造工事をするということについての規制というのが主たる目的みたいなところがあって、既成宅地への対応というのは余り想定してなかったというのが正直なところだろうと思うんですよね。一方で、急傾斜地法というのがあるけれども、これは自然斜面というのが前提ですから、これも駄目だと。そうすると、既成宅地の安全ってどう考えるかというんで、ちょうど法律的な穴みたいな部分になっておった、で、そこへの対応をしていただけたと。正に一歩前進だろうと思うんですが、具体的に、ではどんな工事をさせるんですか。 ○政府参考人(柴田高博君) 工事の概要といいますか基準の概要といいますか、工事の概要になろうかと思いますが、これまではどちらかといいますと、現行法の中では風水害を対象といたしまして、宅地のがけ崩れ等の災害を防止するということに対しまして、のり面に崩落防止のための擁壁を設置するなどの基準を作ってございました。しかし、これまでの地震の教訓を踏まえまして、こういう盛土造成地の安全を確保するためには、今までのような基準だけでは、工事だけでは確保できないと。で、昨年五月から学識経験者に入っていただきました宅地のこの防災のための検討会を設置しまして、一月に結論を出しました。  その中でいろんな議論をしていただいたわけでございますが、この埋立て盛土が大規模地震によりまして崩壊をする大きな原因というのは、地下水が、この埋立地と元の基盤のところの地下水が影響することによってずれるということでございまして、一番のこの工事のポイント、安全性の確保のポイントというのは、この地下水をいかに抜くかということでございます。そういうことで、地下水を抜くような排水溝を造る、あるいは間隙水を外に抜くための、縦の間隙水を抜くためのものを造っていくというようなことが中心となってまいります。 ○小池正勝君 具体のお話で恐縮ですが、徳島県の徳島市のところに眉山という山が町のど真ん中にあります。これは万葉集にもうたわれた山ですが、その裏山、中津浦、中津山というところなんですが、ここはがけ崩れが、正に既成宅地、既存の宅地です。これは国土交通省の方にもお話ししてありますから御存じかと思いますが、がけ崩れが頻発しております。もちろんこれは既成宅地です。余りにも危ないんで、今住民は避難しております。一方で、余りにも危ないから、県が、これは事業者に何回言っても事業者が聞かないもんですから、県が代執行までしてその事業者にお金を請求していると、費用を請求しているというふうな事案でありました。御案内かと思いますが。極めて危険な状況なんです。代執行までするぐらい危険な状況。しかし、そこは暫定措置で緊急の代執行をしたという状況であって、抜本策はまだまだというところなんです。  こういう、正にこれは既成宅地、既存宅地ですけど、既成宅地ですけれども、これも今回のこの改正案の対象になると考えてよろしいんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 今回の法改正によりまして、造成宅地防災区域と、既存宅地について危険なものについて指定をいたします。これは、法律改正後、都道府県知事等におきましてその必要性を判断してその区域指定が行われることになりますが、制度上はどういうところを区域にするかということでございますが、相当数の居住者等に被害を及ぼす災害が毎年のように発生しております一団の造成団地の場合は、災害の危険が切迫しているものとして関係市町村長の意見を聴いた上で区域指定を行うことが可能であるという具合に考えられます。  それから、その予算との関係で申し上げますと、この十八年度予算の大規模盛土造成地滑動崩落防止事業、これは造成宅地防災区域の指定がなされた大規模盛土造成地でございまして、相当数の人家だけではなく、都道府県道等の重要な公共施設に被害を及ぼすおそれのある崩落等の災害発生の危険性があると認められるものについて、宅地所有者等が実施する耐震化工事に対して助成をするというものでございます。  だから、今御指摘の地域がこういうものに当たるのかどうかということにつきましては、今後、県におきまして現地調査等を行いまして、以上のような要件に該当するということであれば、当然、造成宅地防災区域にも指定もできるでしょうし、あるいは新しい予算制度の活用というのも可能になるという具合に思います。  いずれにしましても、具体の事案につきまして、現地に即して都道府県知事等が判断されるものという具合に考えております。 ○小池正勝君 ここは数十軒の住宅がありますし、国道、県道も近くに走っておりますし、正に今おっしゃったような案件であれば私は該当するんではないかと思いますが、いずれにしましても、もう住民が避難しておる、しかも県が危ないと思って代執行までしたという事案でございますし、是非早急な対応を、当然これは県との関係もあるんでしょうけれども、是非早急な対応をお願いしたいと思います。  続きまして、今度は住宅局長さんにお願いをいたします。マンションの耐震偽装のお話でございます。  これも当委員会で再三議論がされました。そんな中で、これはもう居住者の安全あるいは居住の安定が一番だということを再三大臣おっしゃっておられまして、正にそのとおりだろうと思うんです。そのときに、まずマンションの代金を借金して入っている人、その既往のローンについて支援といいますか優遇といいますか、していただけないかというお話をして、住宅金融公庫はまずやっていただいた。ところが、私このことを二月の三日の当委員会でも質問しましたが、民間金融機関の方は、抽象的なことばっかり言って、具体的には対応を当時していただけなかった状況でした。しかし、住宅金融公庫で借りている人よりも民間の銀行で借りている人の方が圧倒的に多かったわけでございます。  そんな中で御質問させていただきましたところ、北側大臣から積極的に民間の金融機関についてもきちっとやらせるという力強い御答弁をちょうだいしたわけですが、その後どうなったでしょうか。 ○政府参考人(山本繁太郎君) この問題に対処する上で、危険なマンションに設定されました民間住宅ローンについての対策が非常に大事だということを二月三日の委員会で小池委員からも御指摘いただきまして、北側大臣から、この件については金融担当大臣に協力を求めた上で、民間金融機関に問題意識をきちんと投げ掛けて協力をお願いしているということをお答えいたしました。その後、国土交通大臣の問題意識にこたえる形で、具体的には二月十四日に、全国銀行協会、全国信用金庫協会などの五団体、機関の連名で申合せがなされました。  内容としましては、まず既往のローンにつきましては返済据置期間を設定すると、最大三年間。それから、返済期間の延長をすると、これも最大三年間返済期間延長する。それから、据置期間中に可能な範囲で金利を引き下げるということを申し合わせていただきました。それから、危険なマンションの除却、建て替えを行うに当たりまして抵当権の抹消について協力すると。それから、新しくでき上がりましたマンションに新たに抵当権を設定する際の抵当権順位等の設定ルールを申し合わせていただきました。さらに、居住者が新しいマンションを取得する際の新規のローンの貸出しの申入れがあった場合には審査を弾力化するといったような、この三点を申し合わせていただいたところでございます。  国土交通省としましては、居住者負担の軽減と、それからスムーズに建て替えを進めるということができますように、この申合せに基づいて関係機関が適切に対応していただくことを期待しているところでございます。 ○小池正勝君 そして、今回の法改正案の中では、これから新たに建て替えとか住宅を建てるという方について住宅金融公庫が支援するという内容になっているわけですけれども、それは大変積極的で、正にこの入居者の安定、居住の安定、安全を図ることが必要ですから、正に積極的な対応だと思うんですが。  その際に、この当委員会で参考人が来られて、一月の十九日でしたか、グランドステージ住吉というところに入居している清水さんという参考人が来られまして意見陳述をされたんですが、その中でこういう表現があるんですね。国土交通省が建て替えというのを、マンション建て替えというのを提示しているスキームということによると、都市再生機構にやってもらうという話になっているわけですが、清水参考人はこうおっしゃっているんです。都市再生機構を委託先とした場合と比較し、民間に依頼して建て替えた場合の方が住民負担が軽くなると、こうおっしゃっているんです。  なぜそんなふうになるんだろうか。逆に言うと、都市再生機構がやるというやつについてももっとこの負担が軽くなるように、住民の負担が軽くなるようにしていただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○政府参考人(山本繁太郎君) 国土交通省と関係公共団体からの要請に基づきまして、都市再生機構がいろいろ技術的な相談に応じております。  それから、具体的にマンションの再建計画を立てていくためにたたき台等が要りますので、一番最初に第一次の検討素案の策定を行いまして、今年の初めに、一月の初めに公共団体に提示しました。マンションのいろんな条件はそれぞれ区々でございますのでいろいろ異なるんですが、非常に粗々に前提条件を設定して一次検討素案は提示したところでございます。各提示された公共団体は都市再生機構の作業結果を基にしまして居住者に計画の概要とか追加負担の額を提示したわけでございますけれども、前提がそういう形なので、一月十九日に清水さんが当委員会でお話しになったときの前提となっている案はそういう案であったわけでございます。  その案に対しまして居住者の方々からは、この委員会でも清水さんもおっしゃいましたけれども、追加負担額を縮小できないのか、それから従前の面積を圧縮するというのもなかなか受け入れ難いので従前の面積を確保するような方法はないのかとか、いろいろな要望が出されました。それを踏まえまして、都市再生機構では更に公共団体と話を進めまして、具体の各敷地条件とかも整理した上で二次検討素案を整理しまして、今公共団体に提示しているところでございます。  この中で、建築計画とか発注方式の見直しでコストを削減したり、あるいはすべての敷地でそういうことが可能なわけではないんですが、周辺の市街地との関係で可能なところでは総合設計制度を適用して容積率を引き上げるといったような手だてを講じることで居住者負担の軽減を図っているところでございます。こういうような形で、具体的な案に基づいて居住者の方々の理解を得ることに努めまして、建て替えの計画が前に進みますように努めてまいりたいと思っております。 ○小池正勝君 終わります。 ○北澤俊美君 おはようございます。民主党の北澤でございますが、今回の法改正について御質問を申し上げます。  この法改正に先立ちまして、総合的な宅地防災対策に関する検討会の報告書というのはいただいておるわけでありますが、これによりますと、中越地震等の体験を基にして、いよいよ我が国が大規模な地震の活動期に入ったという大きな観点からこの法改正の対策が取られたんだというふうに思います。  ただ、そこで、地球上の表面的なことは分かるが、地下のことはなかなか分からないんですよ。私の住んでいるすぐ西の山にも茶臼山というのがありまして、大きな地すべり地帯なんですけど、いまだに動いているんです、いまだに。そこは、今日、輿石さんもいるが、山梨から武田信玄が諏訪を攻め、上州を攻めて、最後に北信濃へ入ったとき、一番最初に陣を置いたそこなんですよ。したがって、土地の人たちは、武田信玄が京へ上る途中で病死したんで、その怨念でまだ山を動かしているんだろうなんて言っていますが、そこを見ると、昔の人は知恵があるなと思うのは、その周辺やその下は集落、そこだけすぽっと抜けているんですね。こういうふうに集落があって、ここだけは抜けているんですよ。やっぱり昔の人たちの知恵だなというふうに思うんですが。  そこで、今度の改正で過去の法律に基づいて宅地造成をした部分と、それからこの法改正によって今後対象になる地域との二つに分かれてこの法律は影響を及ぼすんだろうというふうに思いますが、基本的なことですけれども、どういうふうな影響を及ぼすのかをちょっと説明してください。 ○政府参考人(柴田高博君) 地震から家屋、住宅を安全性を確保し、国民の生命、財産の安全性を確保するというのは非常に重要な仕事だという具合に考えてございます。  住宅、建築物の耐震化というのをもうかなり我々は言ってきたわけでございますが、これと併せまして、宅地の耐震化を推進することというのも、御指摘のように地震から免れることのできない我が国にとって大変重要な課題でございます。特に、阪神・淡路の大震災、新潟県の中越地震等で大規模な谷埋め盛土の造成地の崩落等が多数発生して大変な被害を発生したという教訓を踏まえますと、こうした盛土の造成地の安全性を確保することも急務であると認識しているわけでございます。このため、今御指摘のように、今回の制度改正では、新規に造る場合と、あるいは既存の宅地、この二つにつきましての安全性の確保について新たな基準等を作ったわけでございます。  まず、新規に造る場合の宅地造成工事許可の基準に、新たに盛土宅地の崩落等を防止するための耐震基準を盛り込むことにいたしてございます。また、宅地造成工事規制区域外の開発工事につきましても、これは都市計画法の開発許可の基準に同様の基準を盛り込むことにいたしてございまして、これによりまして、新規に造成される宅地につきましては、地震時の安全性の向上が図られるものという具合に考えております。  それからもう一つ、既存にある造成地でございますが、これも、大地震時に変動、崩壊等を起こし広範な被害を発生させるおそれが高い大規模盛土造成地等につきましては、災害防止のための対策を行うことが必要となりますので、そのために、都道府県知事等がそうした土地の区域を造成宅地防災区域として指定しまして、当該区域の中に住んでおられます宅地の所有者等が保全対策を講じていただくという具合にいたしてございます。  また、このような対策を講じていただくために、これは予算でございますが、来年度予算におきまして、造成宅地防災区域等におきまして宅地所有者等が実施する耐震化工事に対しまして、国、地方で二分の一を支援する制度の創設を盛り込んだところでございます。  このように、今回の制度改正は、御指摘のとおり、今後新規に造成される宅地及び既存の造成宅地の双方の耐震性の向上をさせるために総合的な宅地防災対策を講じようとするものでございます。 ○北澤俊美君 ありがとうございました。  今日は、方向性とすれば、もう時代の要請で、こういう改正は必要だろうというふうに思いますので、専ら局長に御答弁をいただきますが、大臣、場合によっては最後の方でまたお聞きをするかもしれませんので、(発言する者あり)いや、そんなことは言っていません。  そこで、今までの法規制の下に宅地造成工事規制、この規制を掛けておりまして、その区域の指定を各都道府県に法の下に要請をしていったわけですね。これが、いろんな資料をもらっていますが、非常に少ないわけですけれども、その実態というのはどうですか。 ○政府参考人(柴田高博君) 現行の宅地造成工事規制区域は、市街地又は市街地となろうとする土地の区域を指定するものとされておりまして、個々の造成宅地単位、スポット的というんではなく、脆弱な地盤等を抱える既成市街地の区域など広域に指定され、将来の造成工事も含めて長期にわたって規制することが主として想定されております。  昭和三十六年に本法制定の契機となりました豪雨災害によりまして大きな被害を受けました横浜市等では、丘陵地を中心に市域の約三分の二の区域が指定されております。また、シラス台地を抱えます鹿児島市だとか、丘陵地の多い広島市、神戸市など、広域に指定されております。  このように、地域が、非常に風水害等によって危険だというような認識をされている地域、県についてはかなりの幅広く指定されているわけでございますが、一方で、既成市街地であっても、丘陵地や傾斜地や脆弱な地盤等が目立った形で存在しない多くの地方公共団体や都市部以外の地域におきましては、小規模な宅地造成工事から規制される宅地造成工事規制区域を広域に指定し、将来的に規制を継続させようとすることについて、現実的には慎重な対応であるのが実態という状況にございます。 ○北澤俊美君 国土交通省も、法案作るに当たってこういう誠に分かりやすい絵をかいていただきましたが、今度の改正法はこれ一枚見ると少し、一生懸命で読んでいると、大体これ一枚で質問もできるように、なかなかよくできておりますが。  ただ、こういうものを作っても、今の話で、昭和三十六年に法が成立して三十七年の施行でしょう。これは私が学校終わって一万五千円の初任給のときですよ、もう四十数年前。それから延々として、この資料を見ますと、一部大都市は確かに今局長お答えになったように指定をしていますが、嫌なんですよね、嫌なんですよ、こういう規制を掛けられること自体が。だから、なかなか規制を掛けなかった。それは一部大都市、横浜やあの辺よりは私の住んでいる長野県の図面で地すべり防止区域見れば、それこそあばた面になりますよ、長野県は。でも、それ長野県は掛けていない。そういうことをよく考えると、今度のこのハザードマップを掛けて、造成宅地防災区域指定というものを指定していくのはなかなか慎重でなければならぬというふうに思うんですが、この辺のところは後ほどお聞きしますが。  ところで、資料をいただくと、全国平均で二・七%、先ほど申し上げたように、長野県を含めて十八県で全県無指定になっておるんですよね。それで四十四年間経過してきて、また更に新しいものをしようと、こういうわけですね。この辺についての国民意識とそれから法との間の乖離、そういうものをどういうふうに認識しておられます。 ○政府参考人(柴田高博君) 御指摘いただきましたように、長野県も含めて十八の県で指定の実績がございません。これは新潟中越地震起きましたけれども、新潟県もこの指定が受けておられませんでした。指定を受けている地域はございませんでした。全国各地には、そういう意味で、指定は受けていないんだけれども、既存の、例えば盛土というのはたくさん存在いたしてございます。しかしながら、この県を見てみましても、長野県、今おっしゃっていますけれども、長野県なんかも非常に危ない地域もあるんじゃないかと、おっしゃるとおりだろうと思います。  また、地震も、戦後は非常に地震のない、非常に極めて平穏な時代に我々過ごしたわけでございまして、関東大震災が起きてからもう七十、八十年近い、八十年以上になりますですかね、大きなものも来ておりませんし、それから東海、東南海・南海地震というような非常に大きな地震もいつ来るか分からないと言われておりますけれども、これも昭和十九年、二十一年に東南海、南海が起きて以来、東海は百五十年以上も来ていないわけでございまして、そういう大きなものも来ていないわけでございまして、いつ地震が来るか分からないという状況にございます。また、中越地震のみならず福岡の地震なんかは、これまで地震が起きたことがないと、有史以来ないと言われたところでもああいう大きな地震が起きたわけでございまして、地震に対するこの間の我々国民の考え方が、少し安心していたというようなこともあるんじゃないかという、そういうものもあるんではないかと思ってございます。  いずれにしましても、今後、首都直下、東海、東南海・南海、宮城沖等の地震等の発生の切迫性も懸念されておりますし、日本全国どこでも地震が起きる可能性があるわけでございますので、長野県のようなところも含めて、新規の区域指定、規制区域の指定というのも必要になろうかと思いますし、それから新しい既存の造成宅地の安全性の確保をするための指定というものを急いで進めていく必要があるのではないかという具合に考えているところでございます。 ○北澤俊美君 現状はそういうことだろうと思うんですが、私が言うのは、災害は来ないとなかなか認識できないという今意味のことをおっしゃったけれども、それを法律を作って放置しておいた国土交通省自身が自覚をしなきゃいかぬという意味を込めて言ったわけ。四十四年間も二・七%という数字で放置しておいたわけでしょう。だから、大規模地震がこれから来る可能性が非常に高くなったということで改めて認識を高めるということは大変結構なことではあるけれども、そういう意味での法を立案した国土交通省自身が高い意識を持たなければ都道府県も付いてこないんだろうというふうに思いますよ。だから、その辺はしっかり都道府県との間のコミュニケーションはしていただきたいというふうに思います。  周期的にこの大きなのは来るんですよ、それはね。私は、自分の体験しか言いませんが、賢者は歴史に学んで、何とかは、余り立派でない人は体験に学ぶというけど、まあそこのところは勘弁していただいて長野県の体験を言いますが、私の住んでおる善光寺平、あの一円も江戸中期に大地震があって犀川が止まって、それが一気に崩落してあの一帯を全部、大水害が起きたんですよ。  だから、いつ何が来るか分からないということはだれでも分かっているんだけど、多分おれの生きているうちは来ないだろうと思うのが大体人情ですな。私は気象庁の長官に、この前、何か用があってお行き会いしたときに聞いたら、それは今想定されているのは一〇〇%地震は起きますよと、こう言うんだよね。しかし、それが十五年だとか二十年の間とか、最近はもう非常に狭まっていっておるようですがね、そういう意味での重要性というのは私も認識していますが。  そこで、今お話をいただいた全国平均で二・七%というのは、この数字の取り方が悪いんだ。日本の領土全部のうちの二・七でしょう。それは、人間が家を建てる場所というのは、この法律から基づいて言えば、人間が家を建てる可能性のある地域を分母にしなければ国民だってなかなか納得できないですよ。だから、例えば山林だとか河川だとか道路だとか、そういうようなものを外した上で分母にしてやったら、これ大体何%ぐらいになるんですか、二・七でなくて。 ○政府参考人(柴田高博君) 面積の割合の話でございますが、国土交通省の土地利用現況把握調査、これによりますと、農地、森林、道路、河川等を除きました我が国の宅地面積は約百八十二万ヘクタールとなってございます。  一方で、宅地造成工事規制区域は全国で約百万ヘクタール指定されておりますが、現行の宅地造成工事規制区域は、宅地だけではなくて森林だとかそういうものももちろん含まれてもございます。横浜市の場合、市域の約三分の二が指定されておりますと申し上げましたが、当然宅地だけではなくて、農地、森林等も含めて幅広く区域指定をされてございます。  したがって、全国の宅地面積のうち、どの程度が宅地造成工事規制区域に指定されているものかについて、ダブりがあるものですから統計上明確ではございませんが、百八十二の宅地に対して規制区域自身は、宅地以外のものももちろん含みますが、百ございますということで、あとは類推でございますが、幾つかの政令市におきまして写真などから判断しますと、宅地造成工事規制区域のうち、おおむね五割から六割程度、半分ぐらいが宅地であると考えられますので、その割合が全国全部同じだという具合に仮定いたしますと、全国の宅地のうち区域指定されている面積はおおむね三割程度になるんじゃないかという推計もできるんではないかと思っております。 ○北澤俊美君 それでも三〇%ですわな。  そこで、少し話を進めますが、この懇談会の中でいろいろ真剣に御協議をいただいたような状況はお聞きをしておりますが、先ほども小池さんの御質問の中でハザードマップのお話が出ましたが、これを実際に作成をするということになると、この手順、それからそれに対する予算、そういったものはどんなふうに想定されておるんですか。 ○政府参考人(柴田高博君) ハザードマップの作成方法につきましては、御指摘の検討委員会、昨年の五月から今年の一月までやりました検討委員会の中で、いろんな有識者の皆様方からこういうようなやり方でやればいいという御提言をいただいてございます。  その手順でございますけれども、大地震時に崩壊する危険のある大規模盛土造成地をどうやってまず見付け出すのかという手順でございますが、この谷埋め盛土の抽出作業というのは、具体的には過去と現在の航空写真あるいは地形図等をデータ処理いたしまして、開発前の標高の値と開発後の標高値の差分から盛土の位置を抽出するというのが一般的でございます。このようにいたしまして、まず大規模な谷埋め盛土を抽出いたします。  その後、現地踏査を行いまして、個々の盛土造成地にかかわる形状を見ます。これは幅と深さとの関係がどうかとか、どれぐらいの範囲にあるのかとか、地山の勾配がどうなっているのかというのを見ます。また、土地利用状況がどうなっているのか、そこは住宅があるのかないのかとか把握しまして、それに過去の災害事例、阪神・淡路のときの事例等の分析結果を踏まえた危険度評価によりまして変動の可能性のある盛土造成地を特定するという、非常にちょっと技術的なことで恐縮でございますが、ということであります。  その上で、更に当該造成地につきまして現地でより詳細な調査を実施しまして、安定計算といいますのは滑るかどうかという計算でございます。滑っていく力とそれを抑えていく粘り、粘りの方が負ければ滑ってしまうわけでございまして、その安定計算等によりまして変動、崩落等の危険を把握することになります。この現地調査のやり方は、簡易な物理探査手法によりまして、地面の持つ力、地耐力だとか地下水位がどれくらいまでの高さまであるのかということを測定して行うことが一般的でございます。  この安定計算の結果、地震発生時に地震動によって生じる滑り力が地盤や盛土の抵抗力、粘りを上回ると判断された造成地につきましては変動、崩落等の危険性が高いものとしてハザードマップに位置付けるということになります。  予算の話でございますが、地方公共団体は、このような変動予測調査に要する費用につきましては来年度予算からその三分の一を国が補助することにいたしてございまして、例えば一つの市町村で作る場合どれぐらい掛かるのかということだろうと思いますが、例えば神戸市程度であれば、神戸市を例に取ってみれば約二千百万ぐらい掛かるのかなと、横浜市であれば約三千万ぐらい掛かるのかと、まああくまでも現在の概略の推計でございますが、そういうオーダーになるのかなと。場合によってケース・バイ・ケースで、お金がもっと掛かるもの、もっとたくさん調査しなくちゃいかぬもの、あるいはもっと簡単に終わるもの、いろいろあろうかと思います。そういう状況であるというように考えております。 ○北澤俊美君 これからですが、しかしそうは言ってもこれ、全く新規の予算ですからね、よくこの御時世に財務省を説得したなと。その衝に当たった人はなかなかの腕の者だと思いますよ。新規の予算、今、しかも地面の下の見えもしないところの話を持ち込んで予算を取ってくるというのはなかなかのものだと思いますよ。局長を褒めているんじゃなくて、その前に大分苦労した人がいるんでしょう。  神戸であるとか横浜は、先駆的な意味でこれスタートしてもらえばいいんだろうというふうに思います。  そこで、ハザードマップ作成の前提として、危険な大規模盛土造成地は全国で約一万三千か所と、先ほどの何か難しいことを言って拾い出したものがね。そのうちの公共施設等に重大な被害を与えるのは一千か所と推計していると。これは私の理解をはるかに超えておりまして、どうしてそういうことが推計できるのか分からぬのですが、簡単に分かりやすくお話しいただけますか。 ○政府参考人(柴田高博君) 北澤先生には、財務省との衝に当たった職員、お褒めいただきましてありがとうございます。私の後ろの方に座っておりまして、彼らが全部やっているわけでございまして、本当にありがとうございます。  まず、今の一千か所の問題でございますが、これも非常にまた技術的な話になりまして恐縮でございますが、大地震発生時に地すべり的な崩落を起こす危険がある大規模盛土につきましては、概略的な推計を行ったところ、全国一万三千か所程度のオーダーと。  具体的にどうしたかということでございますが、これは南関東のある地域で、阪神・淡路大震災等の被災事例の分析結果を踏まえまして、どれぐらい盛土造成地が変動するかという予測を行いました。それを基に、これを全国の台地又は丘陵地に存するDID地区、人口集中地区で見られるという具合に仮定して広げて計算したものでございます。そうすると、一万三千程度あるということでございます。  また、その中で、被災した場合に公共施設等に重大な被害を与えるおそれがあり、対策を行う緊急性が高いと思われる盛土造成地につきまして、これも、その地域を見まして、そこから類推しまして十三分の一程度、一千か所程度のオーダーになるものと推計したものでございます。しかし、これはあくまでもそういう概略的な推計でございまして、今後、各地方公共団体におきまして、それぞれの地域ごとに変動予測調査を実施しまして、危険な盛土造成地の把握を早急に行うことが必要であるという具合に考えております。 ○北澤俊美君 全国一律の掛け率みたいな話ですよね、今の話だと。この懇談会の報告を見ても、土砂、地盤については未解明のことも多いが、それは自然が一様でないからであると、そういうふうに言っていますね。ですから、全国を一律で掛け率でやって千か所というのはちょっと乱暴な話なんですよね。予算を取ったりするときのものとすればそれはそれでいいが、そこから国と都道府県との関係の中できちんとした指導とか話合いで、自然を熟知したその地域の人たちの了解を得てやっていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。  そこで、今までに造成された住宅地というのは、造成宅地防災区域指定の、ハザードマップで指定されて公表されますと、その時点からその人たちの財産権というのは侵害されるというか評価が低くなるわけですね、と私は思うんですよ、そういうふうに公表された時点でだれしもきっと思うと思いますよね。  さらに、区域指定をされれば災害防止措置の責務を負わざるを得ないということからすると、その面でも負担が増えるというようなことから、我々は既存の法律に基づいてきちんとした団地を購入したと、何の瑕疵もないと、なのに新しく法律を掛けて私たちの財産が目減りをすると、さらには費用も負担をしなきゃならぬと、こういうふうなことから、場合によっては見解の違いから行政訴訟を起こしてくるかもしれない、争いにもなる。そういうことを私は想定しますけれども、国交省としてそういうことを想定しているのか、あるいはまたそれに対してどういう措置を考えておるか、その辺を聞かせてください。 ○政府参考人(柴田高博君) ハザードマップということは、そこに住んでおられる地域の皆さん方、あるいはその住宅が非常に危険だということを明らかにして世間に公表するわけでございまして、御指摘のように、それによって土地の値段がぐっと下がるんじゃないかというような心配が非常にございました、過去はですね。  私の経験からいいまして、ちょうど阪神・淡路大震災のときに兵庫県庁におりまして、あの地震の直後雨が降り出して、二次災害対策というものを真剣に考えました。  特に神戸は六甲山のがけ地がたくさんあるわけでございまして、それのハザードマップを実は持っておりまして、それを公表するかどうかという議論をしました。その中で、これを公表したときに、住民にいたずらな混乱を招いて、しかも土地の値段が下がるというようなことの反発があるんじゃないかという意見もあったわけでございますが、この際、やっぱり人命というのが第一であるからと、積極的に公表しようということで公表したのを私は経験いたしております。もちろん、その後、それによって混乱があったということはございませんでした。  多分、これの時期ぐらいを契機としまして、その後、水害のハザードマップだとか地震のハザードマップだとか津波のハザードマップというものを作って、積極的に住民に公表し、住民自らが自分の生命、財産の安全についてよく考えてくださいよというのが定着していっているんではないかなと思っております。  例えば、そういうことでマップ、たくさん出てきているわけでございますが、それが地価下落につながったという事例は我々聞いてというか、確認はしておりませんし、平成十年に東京都が地震関係の危険マップというものを出しましたし、十三年に横浜市も地震マップも出しましたが、これらも大きな混乱はなく、住民等の防災意識向上等の前向きな効果がむしろ逆に出ているということを伺ってございます。  この造成宅地防災区域につきましては、被害が起きますと、この盛土の上の人家が被災するだけではなく、被害が及ぶ範囲が広範囲にわたることから、周辺地域全体の安全性確保という観点からも指定を行う必要があるものでございますし、指定される宅地の所有者への情報提供と理解を得る努力、こういうものを行うことは当然であろうということを考えてございます。  御指摘のような混乱が起きないように、我々も住民の皆さんと十分情報交換をしながら、対応を重ねながらリスクコミュニケーションというものを進めることによりまして、いたずらに不安を覚えることなく必要な対策が取れるように努力していきたいという具合に考えております。 ○北澤俊美君 それじゃ、少し具体的なことに今度入っていきたいと思いますが、この区域指定を行って災害防止措置の債務を負わせるわけですが、これは具体的に言うとどんな工法でやるのか。これ、素人同士がやるんですから、分かりやすいむしろ御答弁をいただけると思うんですがね。  それから、土地所有者を含めてその費用負担、当然、団地ですから道路がありますからね、そういう意味での費用のアロケーションというか、そういうようなものはどんなふうに想定されておるんですか。 ○政府参考人(柴田高博君) 宅地防災の検討会によりまして我々御指導いただいて今回提案をさせていただいているわけでございますが、この盛土の造成地の場合、崩落危険性があるのはどういう場合かということでございますが、具体的には地下水が、これが、元の地面と盛土との間の地下水というものが非常に作用する。これによって、揺れたときに、地震時の揺れによって作用し、それによって崩落が起きるという具合に言われてございます。  地下水位の上昇によりまして崩落等の危険性が発生している場合には、地下水を除くための排除工、あるいは縦に間隙水圧排除工というものを、パイプを打つ、あるいは地表の水を排除する排除工を造る、こういうようなことで安全性を向上させる工法が有効であるとされております。まずは、地下水を抜いて地下水位を下げるということが一つでございます。また、造成宅地が斜面上にありまして、活動そのものを止める抑止力向上が必要である場合には、くいとかアンカーなんかを打って元の地面に留めてしまうと、こういうものも有効であるとされてございます。  これらの事業の一か所当たりの費用でございますが、アンカー工と地下水の排除工を併用した方法で従来の工事実績等から、盛土造成地一ヘクタール当たり八千万円程度と考えられております。一ヘクタールの造成地に四十戸の住宅がある場合、一戸当たりの費用負担は単純計算しますと二百万円程度、そのうち二分の一の公的支援を受けるということになりますので、個人の負担額は百万円程度と計算されます。  そして、このアロケーションといいますか、実際の事業の実施に当たりましては、この地方公共団体や当該造成宅地上に存する公共施設が幾つかございます、公園だとか道路とかあるわけでございますが、これらは宅地ではないわけでございますが、この公共施設の管理者等も含めた形で宅地所有者等の話合いが行われることが我々は期待いたしておるわけでございまして、地方公共団体などのあっせんなどによりまして、公共施設の管理者が応分の負担を行うということも想定されるんではないかという具合に考えております。 ○北澤俊美君 今、個人で大ざっぱに言うと百万ぐらいの負担と、こういう話ですが、その後公共団体も負担するということになると、この百万から公共団体のものを公共団体が負担すれば減ると、こういうことですか。 ○政府参考人(柴田高博君) そういうことでございます。公共団体の管理者は宅地の中には入っておりませんので、彼らが出していただければその分減っていくということになります。 ○北澤俊美君 公共団体ということになると、想定されるのは道路の管理者ですね。それから、電柱があれば電力会社。それから、いろんなものが想定されると思いますが、その辺のきちんとしたものは、多分これから政令だか省令で決めるんだろうと思いますが、その準備は大体できているんですか。 ○政府参考人(柴田高博君) これらをどういう具合の形で事業を実施していくかにつきましては、ガイドライン、技術指針、そういうもので分かりやすいものを我々用意して公共団体等に周知徹底していきたいという具合に考えております。 ○北澤俊美君 今伺ったような状態ならば、今盛んに地方で行われている下水道化の費用よりは安くなるから、まあ受け入れられる金額かなと今ちょっと安心したわけですが。  そこで、住宅地ですから、住宅密集地域ですよ、特に神戸だとか今、横浜とかああいうところからすれば。そうすると、そんなに広くもないところへしっかり家建てて庭を造って、そこの地面の下ということになりゃ、現実的に工事ができるのかどうかという心配がありますよね。  だから、この程度のことをこういうふうにするというような工事マニュアルがあるのか。それから、これ多分これから作るんだろうというふうに思いますが、おおよそ想定されたものはあるんですか。 ○政府参考人(柴田高博君) 工事を、どういうような工事のやり方があるかというようなことにつきましてもガイドライン等で明らかにしていきたい、分かりやすくしていきたいと考えておりますが、住宅密集地でございましても、造成宅地にのり面がある場合は、高くなっている場合、のり面がある場合には、そののり面に、先ほど言いました排水施設等を下から設置することによりまして対策工事が可能であると考えられますが、今委員御指摘なのは、多分、谷を埋めた盛土等で、のり面がなく平らになってしまって、どこが埋めているのか分からないというような平坦な造成宅地の場合であろうかと思いますが、しかも住宅が密集しているために、地下水の排除工というのを宅地の上で施工することが困難になると思います。  しかし、この場合、工法としましては、必ずしも宅地の上あるいは宅地の中で排水施設を設置する必要はなくて、造成宅地上の道路の側溝を利用しまして、その道路の側溝に横方向の水抜きを行うという手法も、ちょっと技術的で何を言っているか余りお分かりにならないかと思いますが、水抜きを行うという手法も一般的には行われております。側溝を使ってそこから横方向にパイプを出して水抜きを行うということ。あるいは、横方向の水抜きが困難な場合もあるわけでございまして、この場合には縦方向の井戸を掘ると、取水井と言っておりますが、井戸を掘りまして、この井戸に対して地下水を排除するためのパイプを設置するというようなことも可能でございますし、道路敷等を利用して施工することも可能でございます。  こうしたことを組み合わせれば、住宅密集地でも対応が、効果的な対策が施工することが可能ではないかと考えております。 ○北澤俊美君 言葉の上ではそういうことだろうと思いますが、それはなかなかそうできない。側溝を利用するなんといったってね、粘土質の上から水を引くわけでしょう。だから、その粘土質が側溝より……(「下だよ、下」と呼ぶ者あり)そうなんですよ。  私は信州だから、リンゴ畑がたくさんあるんですよ。リンゴ畑というのは、大体傾斜地のリンゴがおいしいということになって、平地から生産は始まったんだけど、みんな山地行っている。西日の当たるリンゴの方が、うちのはうまいよと言うと、いや朝日の当たる方の山のリンゴの方がうまいよと言って、これ結論は出ていないんですけどね。そこは、大体水道がみんな、傾斜地だから水道があるんですよ。その人たちは何しているかというと、みんな井戸掘って、そこへ地下水をためて処理している。だから地面が動かないんですよ。それを今度は平らにしてしまったところで水抜きをするというのは、これは至難の業ですよ。  地附山の災害というのがあったんですね。これは昭和六十年、ちょうど当時の竹下大蔵大臣が、私が県会議員から参議院の選挙に出るというんで応援に来ていただいて、後援会が終わった後、お茶飲んでいたら、竹下先生のところへ、どういう形だったかは忘れましたが、ぱっと連絡が来て、これこれ北澤、おまえの地元で今山が崩れているようだよと、こう言われて、それから二十四人が亡くなったのかな、これは大変な災害だったんですよ。これは、特別養護老人ホームを全壊して、六十数戸の家屋が全部土砂に埋まって、もうテレビで映していると山がばあっとこう下りてくる、それは大変なもんだった。  その後、どういう工法で地滑りを今止めているかというのを見ますと、それは膨大な金が掛かっているんだよ、これね。それで今止まっていますよ。これは、地下で水をこう寄せてくる、人間が立って歩いていけるような穴掘って止めているんですね。だから、本当に安全にするということになったらそれは大変なことですよ。  そこで、もう時間もありませんから最後にお聞きしますが、今回のこの改正によってこれから、これからですよ、今議論をしていたのは既存の宅地ですよね。だから、これから新規に造成する工事というのは、既存のものに対してもこれだけの規制を掛けていくから、新しいものは地震が起きても心配がないと、こういうふうに理解していいんですかね。 ○政府参考人(柴田高博君) 新規のものの安全性の確保でございますが、これは、今回新たに作成されます耐震基準に従いまして想定する範囲の外力に対する安全性の確保を図ろうとしているものでございますが、これで完璧かということでございます。  これは、委員御指摘のように、この検討会の報告書の中にも書いているわけでございますけれども、地面の下のことでもありますし、また学問の研究という、あるいは知見というのは刻々いろんな経験等を踏まえて新たなものが出てくるわけでございまして、現状は一二〇%かということについては、土砂、地盤等について未解明のことも多いわけでございます。今後の研究等の進展により、更に新たな基準だとか対策というものが必要になってくる可能性ももちろん残されているという具合に考えております。  ただ、防災行政といたしましては、常に現時点で、その時点での最新の技術的知見を基に取り得る対策を講じることが必要でございまして、今後も、制度の運用で得られた知見や各種の研究結果等を踏まえまして、宅地の防災対策につきまして必要な措置をとっていきたいという具合に考えております。 ○北澤俊美君 将来のことを完全かということになれば、それはなかなか分かりにくい。  この元法が四十四年前にできたものを改正しなきゃならなくなってきたということからも当然のことだというふうに思いますが。  今、局長は地べたのことはなかなか分かりにくいと、こう言いました。それで思い出しましたが、金丸信先生の公判を私もちょっとお付き合いさしていただきましたが、あの人はいつも、いや、足でちゃんと踏んでいる地面のことは大体分かるが空のことは分からぬと、それよりまだ分からねえのは地べたの裏の下の方でやっておることは分からぬと。まあこれはどうも本当の地べたじゃなくて、政治の裏の方の話だったようでありますが。  そうは言ってもこの時代ですから、相当なもう科学が発達してきている中で、この法改正で迫りくる大地震に対して国民に対して安心を提供するという意味でのメッセージは各都道府県を通じてしっかりやるべきだというふうに思っております。  大臣にお待たせをいたしましたので、この法案の持つ意味を、今度は全国で指定しろと言ったら二・七%だなんという話じゃなくて、いや、きちんとするというような決意も込めて御感想をお願いをいたします。 ○国務大臣(北側一雄君) 専門家の先生から言わせますと、我が国、今、地震の活性期に入ってきたのではないかというふうな説をおっしゃる方もいらっしゃいます。現に、ここ数年も比較的大きな地震が続いているわけでございまして、昨年は住宅建築物の耐震促進法について改正法案を通していただきました。今回、今度は宅地の方の耐震化、防災対策についての法案を今御審議をいただいているところでございますが、両方兼ね備えましてしっかりと安全、安心の国土づくり、地震に備えての国土づくり、しっかりと地方公共団体と連携を取らしていただきまして、また国土交通省、国がしっかりリーダーシップを発揮して頑張ってまいりたいと思います。 ○北澤俊美君 終わります。 ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  ただいまの大臣からも、専門家によれば地震の活性期に今入ってきたという御指摘がございました。今回のこの法律改正によりまして、国土交通省といたしましては、この危険な大規模谷埋め盛土の宅地造成につきまして、先ほどあくまでも概略的な推定であるということで約千か所全国にあると報告されているわけであります。そして、この約千か所につきまして、今後十年で、先ほどの大臣の御指摘ではございませんが、地震が大変に活性期に入ってきているということも踏まえて、今後十年間でこれを半減しようという、そういう目標をお立てになっていらっしゃるわけであります。  まず、局長にお聞きしたいと思います。今後、どういうスケジュールでこの十年間で半減というのを目指していくのでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) このまず目標でございますが、今後十年間で半減させるという目標でございますが、これは先ほど申しました総合的な宅地防災対策に対する検討会の最終報告におきまして、全国一千か所程度の存在すると想定されます危険な大規模盛土造成地について今後十年間でその数を半減させるということを目標とされているわけでございまして、国土交通省といたしましてもそれを目標に対策を実施してまいりたいと考えてございます。  この目標達成に向けまして、もちろん公共団体等と連携を取りながら進めていく必要があるわけでございますが、予算上の問題といたしましても、予算で御審議いただきまして通していただきましたけれども、来年度予算におきまして既存の造成宅地に係る変動予測調査、ハザードマップと地下水排除等の大規模盛土の滑動崩落事業について支援します宅地耐震化推進事業、この創設が盛り込まれたところでございます。  こうした目標を多くの関係者と協議しながら、改正法の適切な運用、この予算補助制度、ハザードマップ作成、適切な情報公開、あるいはこれによります防災意識の向上、各種施策を総合的に実施しまして、目標達成に向け努力をしていきたいという具合に考えてございます。単純に言えば、十年間に五百ですから、一年間に五十、単純に計算をすれば五十程度をなくしていくということになろうかと思います。 ○西田実仁君 先ほど予算の話もございましたが、大変な御努力もいただきまして、新規の予算を確保して今回この宅地の地盤防災についての予算が含まれました。  今、単純に計算すれば年間に五十か所というお話ございました。今、平成十八年度予算につきまして、当初十一億円の要求をされたと思いますが、結果として三億円という結果になっていると承知しております。この三億円でどの程度、何か所ぐらい、特に危険度の高いところからおやりになるということになると思います。何か所ぐらいできるんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 五十か所と、単純に言えば五十か所でございますというお話ししましたが、先ほども申し上げましたように、例えば一か所当たり八千万とすれば、それに国費率四分の一とすれば十億円程度になるわけですね。来年度の予算は三億円の予算が付いてございます。これは、制度改正の初年度で来年度あるということ、それから改正法の施行が半年間であるということ、そういうこともありまして、パイロット的に調査や事業を実施する地方公共団体をまずは支援したいと考えてございます。地方公共団体にヒアリングをした結果では、まず平成十八年度は独自の予算で予備的調査等を実施し、本格的な調査、事業等は平成十九年度に国庫補助を受けて実施するとしている団体もございます。  今後、平成十九年度に必要になる予算額等は、これはまた来年度の、平成十九年度予算概算要求時までに検討してまいりたいと考えてございますが、この三億円の中身でございますが、一億円がハザードマップ作りになってございまして、二億円が宅地の実際の工事に考えてございます。  ハザードマップにつきましては、国費が一億円の、補助率三分の一でございますんで三億円、ハザードマップとして事業費は三億円、それから工事の関係は、国費が二億円でございまして、四分の一で、これは四倍しますと八億円程度ということでございまして、具体的に何か所とは決めてございませんけれども、先ほど、ハザードマップであれば、横浜、神戸であれば二千百万とか申し上げましたけれども、十か所程度ぐらいの予算は確保できているのかなと、それから工事費も、先ほど言いましたように、一宅地八千万ということであれば十か所程度の予算を確保されているのかなというのが概略感じているところでございます。 ○西田実仁君 今年はパイロット的にやっていくということで大体十か所程度というようなお話もございました。来年から本格的におやりになっていくと。  先ほどちょっと聞き忘れましたが、今後十年間で半減させるということでございますが、そうすると残りは、やはりこの地震の活性期に入っているということを考えると、もっとスピードアップしていくことになるんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) できればそういう具合にしていきたいと考えてございますが、当面はこの十年間の目標達成に向けて努力をしていきたいというように考えております。 ○西田実仁君 この規制する場合、あるいは監督を行うのは都道府県が行っていくということであります。指定区域につきましてハザードマップを作成して、その後、都道府県がこうした造成宅地防災区域を指定していくという、そういう仕組みになっております。  そういう意味では、今の大きな目標を達成していくためにも、指定する主体である都道府県に対しまして国としての取組の方向性あるいは指針というものをしっかりと出していく、それによって地方公共団体の取組を促していくという、こういうことも必要になっていくと思われますが、それ、具体的にどのようなことをお考えになっていらっしゃいますでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 御指摘のとおりでございます。公共団体、都道府県等が進めていく必要があるわけでございますんで、都道府県等の担当の皆さん方がまず十分この必要性を認識してもらわなくちゃいけません。この特に谷埋め盛土の造成地の危険性というのについては、これまでもそうでございますが、地方公共団体の防災担当者でも十分認識していない場合が多いんじゃないかという具合に我々考えています。そういう意味では、国からの十分な情報提供をしていくということが必要であろうと考えてございます。  国土交通省は、これまでも地方公共団体と制度改正の方向性について意見交換する機会を設けてまいりましたし、本省の担当官が各公共団体へ直接出向きまして、各地域の状況を踏まえまして今後の取組方針等について意見交換も重ねてまいってきてございます。  今後、ハザードマップの作成だとか造成宅地の防災区域指定等に係る適切なガイドラインというのも作っていきたいと考えてございます。また、それを公共団体に通知していく。そして、本省、各地方整備局、連携しまして、地方公共団体が必要な指定や調査等を実施できるよう働き掛けを行ってまいりたいと考えてございます。特に、地域ブロック単位で地方公共団体に集まっていただきまして情報交換をいたしまして、ああうちではこうしている、おたくはそこまで行っているんですかというようなことをやることによりまして、お互いに相互に啓発し合う場というものを設けるというのも一つの効果的な場のというか、やり方ではないかというようなことも考えております。 ○西田実仁君 この現行法において、宅地造成工事規制区域内の宅地所有者に対します改善勧告というのは大体年間に二百件から四百件ございます。現行法でもそうした規制がこの規制権者である都道府県からなされているわけであります。  これ今、大体この改善勧告、年間二百から四百件ぐらいなされていますが、実際これ改善、どの程度されているんでしょうか。どういう現実を掌握されているんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 現行法に基づきます勧告関係でございますが、都道府県知事等が災害の防止のため必要があると認める場合に宅地所有者等に対して行うこととされているものでございます。これは、本事務は地方公共団体によります自治事務として行われておりますが、国といたしましても、毎年梅雨どき前等にちゃんと点検をしてくださいというような通知、技術的助言といってございますが、これを毎年出してございまして、勧告に係る措置が的確にとられているか否かについての確認を行ってくださいというようなことを指導いたしてございます。  勧告を出した後の宅地における対応は各地方公共団体ごとに異なりますが、例えば兵庫県だとか大阪府なんかは、毎年五月の宅地防災月間中に宅地防災パトロールというものを実施しておりまして、その中で、兵庫県の場合、前年度に勧告を行った宅地についても点検を行っていると聞いてございます。これと同様の取組が多くの地方公共団体において行われているところでございまして、本法に基づく勧告の実効性を確保するための対策が適切に取られているものと考えてございますが、実際どの程度が改善されているかということでございますが、二百件近く勧告されてございます。擁壁の軽微なクラック等で勧告を行う場合も多いわけでございまして、巡視点検の結果、状況が悪化していない場合、あるいは被害の程度が軽微であると思われる場合は改善命令まではいっていないと、勧告を繰り返し出すという運用をしている公共団体も多いようでございます。  各地方公共団体とも、勧告を発した宅地については巡視点検を定期的に行っているところであり、危険が切迫していると判断される場合には、年間数件でございますが、改善命令に至っているという状況でございます。 ○西田実仁君 こうした改善勧告を受けた地域の宅地防災工事融資資金というのが住宅金融公庫であると思います。これを使って改善をしていくというスキームになっていると思います。しかしながら、この住宅金融公庫の宅地防災工事資金の融資実績を見ますと、毎年大変に融資実績が少ない。大体年間で二件とか四件ぐらいしかない。これが今現行法におきます実績として残っているわけでございまして、新たに法改正をして、様々都道府県に対するフォローアップをしていくというお話もございました。  しかしながら、それを受けてこの公庫の、今度は機構の宅地防災工事融資資金を受ける場合に、余りにも実績が少ないという過去の経緯がございまして、これはやはりこの融資条件の見直しとかもっと利用しやすくするとかいうような改善が必要なんではないでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 現行、宅地防災の融資制度がございます。実績がそれほど多くないということは事実でございますが、ただ、今回は法律に基づきまして区域を決め、そこをかなり重点的に耐震化工事を進めていこうとするわけでございます。  これが進んでいけば、二分の一は公費で対応できるわけでございますが、残りの二分の一は自己負担となるわけでございまして、そうした場合にかなりこの住宅金融公庫の宅地防災融資というのが私は有効に使われていくんではないかという具合に考えておりますし、期待をいたしているところでございます。 ○西田実仁君 今おっしゃったように、自助努力がこれ求められて、指定した区域に住んでいる人は自助努力が求められていくわけですが、こうした改正案の趣旨を個々人に、宅地の所有者にどう伝えていくのか、具体的にお聞かせ願いたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君) まず、造成宅地の防災区域の指定に先立ちまして、まずハザードマップを作りまして公表しまして、この地域、この宅地は危ないんですよということの必要な情報開示をまず行っていくこととしております。その際、地震時に崩落等の危険がある造成宅地の盛土造成地の判定基準については、なるべく分かりやすいガイドラインを作成いたしまして、技術的助言としまして地方公共団体に通知するほか、広く公表してまいりたいという具合に考えております。  そのような形で宅地の危険性に関する正確な情報を幅広く住民と共有し、その内容を各地域ごとに地方公共団体や専門家等から丁重に説明、住民と対話を重ねていくいわゆるリスクコミュニケーションを進めていくこと。これで、具体的にこの宅地が危険だと指摘された場合でも、住民がただいたずらに不安を抱くだけではなくて、必要な対策の実施に向けてやらなくちゃいかぬねという取組が進められますように、こういう環境整備を図っていくことが必要であろうという具合に考えておりまして、各公共団体にはよく指導していきたいという具合に考えております。 ○西田実仁君 そうした危険な盛土のハザードマップを作成してそれを公開していくということですが、この地域がその指定を受けているかどうかということに加えて、その指定を受けた地域がどの程度今耐震補強がなされているのかという進捗度合いも含めてきちっと公開していくということが必要だと思うんですね。  そこに新しく土地を購入しようと思う人もいるわけでありまして、いつまでにやるのかという、今、国土交通省で例えば橋梁の耐震補強についてはそういうプロセスも公開していると思いますけれども、そうしたことも含めて、指定されているか指定されていないかということだけではなくて、それに対してどう対処を取っているのかという、また今どこの地点まで来ているのかということを含めて公開すべきではないかと思いますが、いかがでございましょう。 ○政府参考人(柴田高博君) 大規模の盛土造成地につきましては、地震時の危険性というのが必ずしも十分認識されてないという状況にございます。御指摘のとおり、宅地所有者だけではなく、新たに宅地を購入される方々に対しましても幅広く必要な情報開示を行うことは重要であるという具合に考えております。  今後、宅地防災に関します各種の情報を、地域広報への掲載あるいはホームページの活用、これらによりまして、不動産関係の事業者も含め、幅広く国民に提供し、宅地防災知識の普及に努めていく必要があろうと思っております。また、こういたしましたリスク情報の公表やそれに伴う混乱等を回避するためには、この造成宅地の変動予測の前提、根拠、こういうものを明らかにするということ、さらには、宅地所有者等による危険への対処方法や行政における対応策を併せて周知することが望ましいと考えております。  したがって、今後作成いたします宅地ハザードマップに係るガイドラインの中で、そうした留意事項を明記していきたいという具合に考えております。 ○西田実仁君 この造成宅地防災区域の指定につきましては、今言われたようなこのリスク情報をどう開示していくのかという中で、例えば宅建法ですね、施行令を改正することによって重要事項説明の対象に加えるべきではないか、その宅地が指定されているかされていないかということも含めて、ということも検討されてはいかがかと思いますが、いかがでございましょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 宅地建物取引業でございますが、不動産の購入者が知らないで取引することによりまして後で重大な不利益をもたらすおそれのある一定の事項について、必ず購入者に説明すべき重要事項として列挙いたしてございます。  今回の法改正によって新たに設けられますこの防災区域につきましては、不動産の購入者にとって重要な関心事項になり、その区域内であるかどうかは客観的に示すこと、こういうことも可能ではあろうかと思います。しかしながら、一方で、宅地の耐震性そのものの評価ということについてはなかなか難しい部分もあるわけでございまして、何をどこまで説明できるか等の観点から更に検討していく必要があるんではないかと思っております。 ○西田実仁君 いずれにしても、個人の自助努力が大変に求められるような法改正になっておりますし、まさかそういう指定されると思ってなかった宅地の所有者の人も出てくるわけでございまして、そういう意味ではこの危険度の周知徹底、これは国が枠組みを決めて終わりではもちろんなくて、都道府県に対しましてもきちっと、技術的な助言も含めて、きめ細かくやっていくということを求めて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。 ○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  今回の改正案は、新潟中越地震などを踏まえまして、造成された宅地などの安全性の確保を図るために宅地造成に伴う災害防止の措置を講ずるものとなっています。それは大変私も重要だというふうに思います。  そこでお聞きしたいんですけれども、いわゆる地盤災害が集中する盛土・切土宅地の安全対策を行っていく上でその必要とする箇所数、まあ箇所数については先ほどの議論の中でも出ておりますけども、改めてその箇所数と、そして私は住宅数もどの程度あるかということをお聞きしたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君) まず、箇所数でございますが、大地震発生時に地すべり的な崩落等を起こす危険がある大規模盛土造成地でございますが、概略的な推計でございますが、全国およそ一万三千か所程度のオーダーで存在すると想定されます。また、このうち、被災した場合に公共施設等に大きな被害を与えるおそれがあり対策を行う緊急性が高いと思われるものは、ある特定の地域で実施しました詳細予測調査の傾向から類推しますと一千か所程度のオーダーになるという具合に想定されますが、これはあくまでも概略での推計でございます。  住宅およそ何戸程度存在するのかということでございますが、千か所自体が先ほど言ったような形での類推でございますので、悉皆調査によるものでございませんので、住宅数までは推計をいたしておりません。 ○小林美恵子君 先ほどの御説明でいきましても、特定な地域を抽出してということでございますし、住宅数についてはなかなか把握はできていないということでございますので、それはそれで私は早急に調査をすることが本当に必要だと思いますけれども、その点、改めて確認をしたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君) この調査はあくまでも、今回法律を提案するに当たり、あるいは予算を要求するに当たりまして、この総合的な宅地防災対策に関する検討会の報告の中で、検討会の中で有識者の先生方の研究結果から出されたものでございます。しかし、これはあくまでも、先ほど言いましたように、類推的な、概略的な推計でございまして、まずこれが実際どこまでどれだけあるのかということにつきましては、各地方公共団体においてしっかりした調査をしていただきたいというように考えておりますし、当然そのときには住宅の数というのも把握されるんではないかという具合に考えております。 ○小林美恵子君 それで、そういう調査を行われまして、それでいわゆる災害防止の対策工事を行うことになるかと思いますけども、もうその際にやっぱり必要なのは、やっぱり住民合意が大変重要だというふうに私は思います。その住民合意を行う上でも、対策費用がどうなるのかということはかぎを握るというふうに思います。  この点も、先ほどの議論でももう出されておりますけど、ここはすごく私大事なことなので改めてお聞きしたいと思いますけれども、いわゆる今回の改正案の造成宅地防災区域での災害防止工事、また既存の宅地造成工事規制区域内の住宅に関して行う災害防止工事は、負担はどのような割合になるのか、お聞きしたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君) 今回の大規模盛土の造成地の滑動崩落防止事業一か所当たりの費用につきましては、アンカー工と地下水排除工を併用した方法で、従来の工事実績等から推計しますと盛土造成地一ヘクタール当たり八千万円程度と考えられます。  一ヘクタール当たり四十戸の住宅があるとした場合、一戸当たりの費用負担は単純計算で二百万円程度、そのうち二分の一の公的資金を受けられるといたしますと負担額は百万円程度という具合に計算されます。 ○小林美恵子君 これは一例であると思うんですけれども、百万円といいましても、なかなか個々人にとりましては多額な負担だというふうに思います。  ですから、それを本当に合意をしていくという点になりますと、やっぱりその個々人に対する負担の軽減というのが必要だと思うんですけれども、これにつきましても、先ほどから議論出てますけれども、私も、本当に負担の軽減する上では、滑動崩落なので影響を受ける道路や公共施設などの管理者にもやっぱり負担を求めて個々の負担の軽減を図るということは大変重要だと思いますけども、この点いかがお考えか、改めて確認したいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君) 残りの百万円の部分につきましては、当然住宅金融公庫融資の、今回法律改正お願いしてございますが、対象になります。また、この残りの部分でございますが、宅地の耐震化工事は通常、宅地所有者等の合意形成により共同して行う必要がございますが、実際の事業の実施に当たりましては、地方公共団体や当該造成宅地上に存する公共施設の管理者等も含めた形で宅地所有者等の話合いが行われるということを我々も期待しているわけでございまして、地方公共団体のあっせんなどによりまして公共施設管理者が応分の負担を行うということも想定されるんではないかという具合に考えております。 ○小林美恵子君 想定されるということではなくって、しっかりとそういう方々に負担もしていただくということで運用されるということを私は是非やっていただきたいと思いますが、改めてそこを確認したいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君) この件につきまして、国の方から、法律上あるいは予算制度上そこが、義務的に公共施設の管理者が出さなくちゃいかぬということになっているわけでもございませんし、そこを必ず負担をしなさいというのはちょっと行き過ぎかと思いますが、ガイドライン等でそういうようなケースもあり得るということについては書かしていただきたいという具合に考えております。 ○小林美恵子君 ガイドライン等ではそういうこともあり得るという御答弁でした。  私、そういう何といいますか、住民の皆さんにとりますと、例えば、これも先ほども議論が出てございますけれども、購入する際にその宅地が一体、その宅地の地盤が危険なのかどうなのかということは、やはり今の段階では分からないと思うんですよね。やっぱり、そういうところがどういう状態なのかということが購入する際にも分かるということが非常に私は大事なことだというふうに思います。  そこで、改めてそういうことを購入する際に情報提供していく上で、いわゆる宅建業法による重要事項の説明にも記載をするなども含めまして、こうした検討は是非していただきたいと思いますが、その点はいかがですか。 ○政府参考人(竹歳誠君) 宅建業法では、不動産の購入者が大事なことを知らないで取引することによって重大な不利益をもたらすおそれのある一定の事項については、必ず購入者に説明すべき重要事項として列挙しております。  今回の法改正によって新たに設けられます造成宅地防災区域につきましては、大地震時に地すべり崩壊の危険、崩落の危険のある大規模な谷埋め盛土等について指定されるものでありますから、不動産の購入者にとっては非常に重要な関心事項であります。だから、そういう区域が指定されれば、それは客観的に示すことが可能だと思います。  それを超えて、さらに、その宅地がどれぐらい危険であるかとか、そういう耐震性そのものを評価するということになりますと、まだ技術的に幾つも解明しなくちゃいけない課題があると思います。  今回の法改正を受けて、宅地の安全性と重要事項説明との関係について更に技術的な検討を進め、今後の進展も踏まえて、宅地建物取引業者が何をどこまで説明できるか、こういうことについて更に検討を深める必要があると考えています。 ○小林美恵子君 さらに、私は今回の法改正で、工事を促進する上でも工事の検査の体制強化も必要だということをまず指摘をしておきたいと思います。  それで、次に、こうした大体安全措置を講じなくてはならないそもそも危険な地盤での宅地造成、開発そのものについて質問したいと思いますけれども、そもそも一九六一年の宅地造成規制法の審議の際の政府の法案提案理由というのはどういうものだったんでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 宅地造成規制法が当初提案されたときの提案理由でございますが、その概要でございますが、中身はこういうふうなことが言われております。  昭和三十六年六月の梅雨前線豪雨によりまして各地に災害が多発し、特に神奈川県、兵庫県等の丘陵地等におきましてがけ崩れ等の災害により、大きな被害が出ました。こうしたがけ崩れ等の災害が当時、宅地造成が行われたところ又は造成中の箇所で多く発生していたこと、また当時、旺盛なる宅地造成需要が、今後、宅地造成がどんどん増えていくという、そういう需要が見込まれていたことを踏まえまして、宅地造成に関する工事について災害防止のために必要な規制を行う必要性が認識され、宅地造成等規制法が提出されたものでございます。 ○小林美恵子君 要するに、災害防止の必要な規制を行うということを目的に一九六一年、法案が出されたということでございますけれども、私どもは、そもそもそういう自然を壊して山を開発している、いわゆる乱開発はやめるべきだということをずっと国会の審議でも主張してまいりましたけれども、法成立以降、今日まで宅地造成規制法に基づく造成宅地、いわゆる許可された面積ですね、これはどの程度なのかということと、地震、豪雨により被災した面積はどの程度になっていますか。 ○政府参考人(柴田高博君) 宅地造成工事の許可面積でございますが、これは昭和四十九年がピークでございまして、七十一平方キロメートルでございますが、その後ずっと減少しておりまして、近年では年間その四分の一、三分の一程度の二十平方キロメートル程度でございます。昭和三十七年度から平成十六年度までの四十二年間の累計面積は約一千八百平方キロメートルとなっております。  この区域内で発生するがけ崩れ等の災害発生状況については毎年調査を実施しておりまして、例えば平成十六年度は三十一件となっております。ただし、許可された造成地が含まれているか否かは調査からは分かっておりません。 ○小林美恵子君 この法律に基づくいわゆる許可面積というのは一千八百平方キロメートルだと。一千八百平方キロメートルといいますのは、私が住んでおります大阪府の面積にほぼ匹敵するものでございます。つまり、大阪府の面積ぐらいのいわゆる自然とかを削って、そういうところに宅地が造成されてきたっていうことになりますよね。私は、そういうこと自体がもう本当にどうだったのかというふうに問いたいと思うんですけれども。  そもそも、宅地造成規制法の厳格な審査、検査によって許可された盛土造成宅地が被災しているということにつきましては、この法律の技術基準に一体どこに欠陥があって、これを今後どういうふうに改正して、それでどういうふうに、その改正することによって本当に被災がなくなるのかという点を改めて聞きたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君) 現行制度は台風等の集中豪雨の際に造成地、造成宅地におきまして発生するがけ崩れ等の災害を防止することを目的として、造成により生じたがけののり面に崩壊防止のために擁壁を設置するところの基準を定め、それによりまして宅地造成工事の安全性を確保しようとするものでございます。  この制度がなければ、昭和三十六年の法制定以前と同様、毎年のように宅地造成地におきまして災害が発生し、多くの人命、財産に被害が発生したんではないかという具合に思われます。宅地造成工事規制区域内で発生するがけ崩れ等の災害は、これ許可があってのかどうかは定かではございませんが、近年では年間数十件程度となっておりまして、この安全性確保に本制度は一定の効果を上げているというぐあいに考えてございます。  しかし、地震によります大規模谷埋め盛土造成地の崩落等が多数発生したという教訓を踏まえまして、今回宅地の耐震性確保にかかわる基準を法令上明確にしようと、それによりまして新規宅地造成に係る安全性を従来以上に確保しようとするものでございます。  以上でございます。 ○小林美恵子君 私は、最後に大臣にお聞きしたいと思います。  そうは局長さんおっしゃったとしましても、そういう危険なところで被災は起こっているのは事実でございます。  それで、宅地造成規制法の目的は、山地、斜面地における乱開発抑制対策と造成される宅地の安全確保だったと私は思います。ところが、国交省の総合的な宅地防災対策に関する検討会報告も、大きな被害は谷や沢を埋めた大規模造成地に集中していると。今回提起する盛土滑動崩落対策もなおまだ検証不十分だと、下流域の被害も含めて盛土造成宅地が大きな被害をもたらすと、しかも被災後の事後対策費が開発費を上回る巨額なものになるということも指摘をしています。つまり、これは山地、斜面地における宅地開発そのものが大きな矛盾を抱えているといういわゆる検討会の指摘だと私は思います。  こういう指摘を受けているわけでございますから、この際、危険ないわゆる山地や斜面地での宅地開発そのものをやめることが危険な宅地を生まない最大の保障だと私は思いますが、この点、大臣、いかがですか。 ○国務大臣(北側一雄君) この宅造規制法は、先ほど説明がありましたように、むしろ豪雨災害等によるがけ崩れから住民の方々を守っていこうと、こういう趣旨で法律が作られたものでございます。必ずしもこの法律が作られた当時は、地震災害に備えるというふうなことで想定したものではありませんでした。その後、阪神の震災があり、また中越の地震があり、専門家の方々の研究が進む中で、やはり地震による地盤災害ということに対する備えというのが重要だということで今回この法改正をお願いをしているところでございます。  昭和三十年後半から四十年といいましたら高度経済成長時期でございまして、都市に人口がどんどん集中してくると、そういう中でそういう若い人たちの住まいの受皿をつくっていかないといけないと、こういうことが極めて社会的に求められた時代であった中でございました。今は人口が減少する時代に入りました。そういう中で、確かに今委員のおっしゃっているとおり、これからの都市の計画、都市計画の在り方を考えますと、やはり危険なところ、危ないところ、そういうところにはやはり住宅を造らないようにしていくというふうな考え方というのは、これからようやく人口が減少する時代の中で私は、日本の国土の中でもそういうことを思考できるような時期になってきたのではないかと思うんですね。  また、今国会では都市計画法の見直しについてもこれから御議論をいただくわけでございますが、そういう大きな変化の中で我が国の都市計画、また国土形成の在り方について是非議論をさしていただきたいというふうに思っているところでございます。 ○小林美恵子君 終わります。 ○渕上貞雄君 社民党の渕上です。  まず初めに、危険箇所の半減目標についてお伺いをいたします。  本法案によりますと、造成宅地防災区域の指定のみならず、災害防止措置を講ずる宅地所有者など、積極的な取組が必要となっております。このために、国土交通省は、平成十八年度予算において、大規模盛土の耐震化補強工事及び宅地ハザードマップの作成に対する支援、いずれも地方公共団体への補助として国費十一億円を要求しましたが、結果として三億円、うち耐震化補強工事への支援が二億円、宅地ハザードマップの作成支援が一億円が計上されることになりました。  このような金額で十年間に危険箇所の半減が可能になるのでしょうか。また、今後この補助制度を含め支援策を充実をしていくことは考えておられるかどうか、お伺いいたします。 ○政府参考人(柴田高博君) 御指摘いただきましたように、来年度予算三億円、国費をいただいてございまして、一億円はハザードマップ作成ということで、事業費でいいますと三千万円、それから宅地の耐震化のための事業といたしまして二億円、事業費といたしましては八億円、それぞれ十か所程度と先ほど申しましたが、そういうようなことで進めていきたいと考えております。  これは、十八年度、初年度であるということと、それから法が施行されまして半年程度しか時期がないというようなこともございます。また、公共団体等におきましては、十八年度は自ら自分の調査等でもってやっていこうと、本格的には十九年度以降やっていこうというような都道府県等もあるわけでございます。初年度ということで三億円の事業で進めていきたいと考えてございます。  この千か所を十年間で半減させるという目標につきましては、多くの関係者と共有いたしまして、この法律を通していただきましたら、この改正法の適切な運用、そうしてまた、この予算補助制度に加えまして、ハザードマップでもって住民の皆様方に適切な情報開示を行うこと等によりまして、みんなで協力して目標達成に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。 ○渕上貞雄君 宅地は個人の財産であります。その宅地の耐震化補強工事に国費を投入するためには、支出に見合うだけの公共性、公益性が必要です。宅地改修工事にかかわる支援措置についてどのような公共性、公益性があると考えておられますか、お伺いいたします。 ○政府参考人(柴田高博君) 阪神・淡路大震災、また新潟県中越地震における宅地の被災状況を見ますと、大規模な盛土造成地の滑動崩落等が発生した場合に、盛土の上の住宅等に加えまして広範囲な土砂流動によりまして、道路等の公共施設等を含め地域全体に甚大な災害を及ぼし、被害をもたらすということになります。  このような災害に対しましては、個人の敷地単位で予防対策を行うことは限度があります。また、災害が発生いたしますと、地域の復旧・復興には莫大な費用を要することになります。このため、大規模盛土造成地全体の安全性を確保することで、広範囲な被害発生を防止するということについて高い公共性があるという具合に考えております。 ○渕上貞雄君 平成十八年度の税制改正要望として、国土交通省は、盛土宅地にかかわる耐震改修促進税制の創設、耐震改修費用の一〇%程度の税額控除を要求していましたが、結果として認められませんでした。これが認められなかったのはどのような理由なのでしょうか。また、既存の制度を活用した税制面での対応は考えられておられるのでしょうか。いかがでございましょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) この宅地改修工事にかかわります税制改正要望は、住宅の耐震化工事にかかわる税制要望と一緒になって、我々要求さしていただきました。  この宅地の部分につきましては、宅地造成等規制法の一部改正に伴う税制上のこの措置というものについては、今後法案の内容を見て検討するという具合にされております。  具体的に言いますと、この造成宅地防災区域に指定されました宅地で実施されます宅地耐震化工事費用等の所得税法上の取扱い、一定の場合の雑損控除の適用等ということになりますが、今後法律が通った後、税務当局に確認していきたいという具合に考えております。 ○渕上貞雄君 よろしくお願いしておきます。  本法案によって指定されました宅地、造成宅地防災区域内の宅地所有者等は、擁壁設置、災害防止のための措置を講ずるよう努めなければならず、宅地所有者の自助努力が求められております。  そこで、この本制度の実効を期待するためには、法案の趣旨を広く国民に周知をし、その必要性について十分理解を得ておく必要があると思いますが、どのような取組をしていくのか、またどのような予定があるのか、お伺いいたします。 ○政府参考人(柴田高博君) 地震が少ないと思われておりました渕上先生の御地元の福岡でも、福岡県西方沖地震発生いたしましたように、全国どこでも地震が起きる可能性がございます。また、大規模な首都直下だとか東海、東南海・南海地震といった大規模な地震の起きる可能性も逼迫が懸念されております。このように、宅地の安全性を確保することは全国すべての地域で喫緊に取り組むべき課題でございます。  特に、谷埋め盛土の造成地の危険性については十分に認知されてないという場合が多いわけでございます。今後、宅地防災に関する各種の情報を地域広報への掲載、ホームページの活用等によりまして幅広く国民に提供し、宅地防災知識の普及に努めてまいりたいと考えております。また、専門家からも分かりやすい形で各種の情報提供がなされますよう関係学会等にも働き掛けをしていきたいと考えてございます。  今回の制度改正につきましても、今後私どもが作成いたします各種のガイドライン等を地方公共団体関係者はもとより幅広く国民に情報提供することで、この新しい造成宅地防災区域制度に関する理解が得られるよう努力してまいりたいと考えております。 ○渕上貞雄君 危険な大規模谷埋め盛土は全国に千か所あると推定をされておりますが、谷埋め盛土以外の危険な造成地についても指定されるのでしょうか。また、地震以外の災害も想定をして指定するのでしょうか。 ○政府参考人(柴田高博君) 今回の改正法におきます既存の宅地の危険な部分、要するに造成宅地防災区域につきましての定義でございますが、宅地造成に伴う災害で、相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域とされております。そういう意味では、必ずしも大規模な盛土造成地に限らず亀裂の発達しているところ、溢水等の著しい変状が認められるところ、こういうところは集中豪雨等による災害発生の危険が切迫している宅地等につきましても、造成宅地防災区域の指定を行い、必要な防災対策の実施を促すこととしたいという具合に考えております。 ○渕上貞雄君 既に工事が完了し住宅が建設されている造成宅地の危険性は外見上簡単には識別できないものと思われますが、都道府県知事は指定に当たって、危害を生ずるものの発生のおそれを適切に判断する技術及び能力を有していると考えていいのでしょうか。指定の責務を負う都道府県、政令都市、中核都市及び特例市に対し、指定基準について説明や助言をする体制をつくる必要はないのでしょうか、お伺いをいたします。 ○政府参考人(柴田高博君) 宅地造成の際に必要な防災措置に関する技術的な指針として、現在、国土交通省が宅地防災マニュアルというのを作ってございますが、これは阪神・淡路大震災後の平成十年に改定いたしまして、宅地の耐震性確保に関する考え方も既に盛り込んだところでございます。  本マニュアルは、既に多くの地方公共団体等が宅地造成工事許可及び開発許可の義務遂行上、実務的に参考にされてございます。都道府県等の担当者は、既にこうした実務を通じて一定の技術的な知見があると、蓄積があるというように考えてございます。そういうような中で、国土交通省といたしましても、これまでも今回の新しい制度につきまして地方公共団体と意見交換をしてまいったり、本省の担当官が各公共団体へ直接出向きまして、各地域の状況を踏まえた今後の取組方針等について意見交換を重ねてきたところでございます。  今後、ハザードマップを作成するということ、造成宅地防災区域指定をどうやってやるかというようなこと、これらにつきます適切なガイドラインを作成、通知するとともに、各地方整備局とも連携いたしまして地方公共団体等にもそこに入っていただきまして、お互いに啓発しながら積極的な取組ができますよう働き掛けを行っていきたいというように考えております。 ○渕上貞雄君 現行法では、宅地造成工事規制区域内の宅地所有者は、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならないと規定をしているのに対し、今回の法案では、造成宅地防災区域内の宅地所有者は、災害が生じないようその造成宅地について擁壁等の設置又は改造その他必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしていますが、後者の宅地所有者に対して、より具体的な努力義務を課していますが、この規定を実効あるものにするためにどのような方策を取るようにしているのでしょうか、お伺いをいたします。 ○政府参考人(柴田高博君) この宅地耐震化工事等の防災対策の実施に当たって、実効性あらしめるためにどうすべきかということでございますが、一つは、先ほどから申し上げておりますように、来年度予算におきます予算支援の措置、工事を行う場合には公的支援を半分、二分の一の公的支援を行いますということ、あるいは住宅金融公庫融資、こういうものの支援措置を活用して、所有者等によります対策の実施を促していきたいと考えてございます。  また、事業の実施に当たりましては、地方公共団体や当該造成宅地上に存する公共施設の管理者等も含めた形で宅地所有者等の話合いが行われることが期待されているところでございまして、地方公共団体のあっせんなどによりまして公共施設管理者が応分の負担を行うということも想定されているところでございます。  また、その前段としましては、この造成宅地は非常に危ないんですよということをハザードマップ等で住民にきっちり知らしめていくということも、これらが適切にスムーズに実施される前提にあるのではないかというように考えております。  こういうようなことを連携をしながら、関係機関が連携しながら実行に努めていきたいというふうに考えております。 ○渕上貞雄君 終わります。 ○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕 ○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、大江君から発言を求められておりますので、これを許します。大江康弘君。 ○大江康弘君 私は、ただいま可決されました宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、全国に約千箇所存在すると推定される特に危険な大規模谷埋め盛土を今後十年間で半減させることを目標とし、次の諸点について適切な措置を講じ、本法の運用に遺憾なきを期すべきである。  一、宅地の安全性に係る技術基準の明確化とその信頼性の確保を図ること。    また、地方公共団体による盛土の変動予測調査が適切に行われ、調査結果を踏まえたハザードマップが迅速に作成・公表されるよう、必要な支援を行うこと。  二、造成宅地防災区域の指定に際し、盛土面積、宅地形状等の観点を踏まえた災害発生の蓋然性及び公的関与の必要性に係る基準が明確にされるとともに、具体の指定に当たっては、当該地域の実情に配慮した対応となるよう、関係者間の意見の調整を図るなど、その環境整備に努めること。  三、既存宅地造成地の耐震化工事の実施に向けて、地方公共団体、宅地所有者等の間で合意形成が円滑に行われるよう、指針を示すなど必要な指導・助言を行うこと。  四、大規模盛土造成地における滑動崩落防止施設の設計・整備に当たっては、技術面等の必要な支援を行うとともに、その後の維持・管理が適切になされるよう十分配慮すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。 ○委員長(羽田雄一郎君) ただいま大江君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕 ○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、大江君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、北側国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北側国土交通大臣。 ○国務大臣(北側一雄君) 宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案につきまして本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。大変にありがとうございました。 ○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後一時まで休憩いたします。    午後零時九分休憩      ─────・─────    午後一時開会